童貞。をプロデュース

(neoneo坐で。〜neofest 2006 夏〜)

ルサンチマンに満ちた童貞K(23才)が最近、恋していると知ったAV監督・松江哲明は「せっかくだから童貞喪失を撮影しとけ」とカメラを手渡す。そればかりか、社会勉強だからとエロビデオの現場に連行。こうして誰も望まない「童貞プロデュース」が始まった。

半年前までニートだった主人公が こじらせた思春期からそう簡単に抜けられるわけもなく


グダグダと悪あがきするその様子が!
滑稽で 無様で おかしくて いとしい
  AV撮影に関しては、周りに迷惑をかけまくってしまうので 
  面白がっちゃあイケナイのかな、という気もするのだけど
  「他人と関わる以上、迷惑をかけない生き方なんてない」 と 逆に叱られる主人公‥
  AV業界の懐の広さ(というかカンパニー松尾さんの懐の広さ) って 感動的‥ 
  

映画好きなんて、たいてい思春期をこじらせてきただろうし
わたしだって、そりゃあ、主人公に共感してしまうわけですよ
恥ずかしいことはなんて甘酸っぱいんだろう‥*1


32分じゃなくて、もうちょっと見ていたいかんじでした
(でも、こういうのはお腹いっぱいになるまえに終わるのがいい具合なのかな)


(などと主人公を応援しつつ、最後に現れた片思いの彼女があまりに美人だったので
 その瞬間 「オマエは一生童貞でおれ」 と 意地悪のカタマリになったけど)

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上映後に、松江監督のトークショーがありました (急遽?)
この作品のことを「フェイク・ドキュメンタリー」と呼んでいたのかな
「演出して・手を加えて それでもうすまらない事実を撮りたい」
「ただ事実にカメラを向けるのではなく
 カメラを向けることで変化する関係性を撮りたい」
などの発言が印象的で
「ヤラセ」 になるか 「愛ある軌道修正」 になるか、
ドキュメンタリーは デリケートな娯楽なんだなー と思いました

*1:どうでもいいのだけれど、わたしの周りにはハジメテ付き合った彼女はかなり年上(10歳とか)、という男子がけっこういて。なんか不思議だったのだけど、きっと彼らはかなり思春期をこじらせていて、それくらい包容力がないとダメだったのかなぁ、と今になって思い当たりました。今振り返ってみるとそういうかんじの男子だも!発見発見。思春期オーラは年上女性に有効と (メモ)