富士日記かきぬき

大好きな「富士日記」のなかでも 特に好きなところ
(好きな理由は親近感。わたしもたまに行うので (感謝の舞)

富士日記〈中〉 (中公文庫)

富士日記〈中〉 (中公文庫)

何故だかずっと上巻だと思っていて、上巻を何度も読み返してしまったので
中巻のなかに見付けた記念に書き抜いておこう

大岡夫人はサングラスをかけて藍色の和服で運転。大岡夫人の顔色が硝子の加減か蒼白く着物が青くて、その美しいこと優雅なこと。大輪の青い朝顔のようだ!!私は道ばたの石に腰かけて見送った。感動したときには体操して現わすことにしているから、車のうしろに向かって「万歳」を三唱した。 (昭和43年8月22日)

一日静かであった。今日もゆっくりとした夕焼となる。庭の雪はその間、バラ色に染まる。お礼をこめて夕陽に向かって、一と踊り踊ってみせてやる。 (昭和44年4月21日)