名匠・成瀬巳喜男の世界

今日は 「山の音」 「驟雨」 の二本
原節子の世界” のつもりで でかける
どちらの映画も 夫婦の倦怠もの
(こんなジャンル、成瀬映画以外に あるの‥?)


「山の音」 は 上原謙演じる夫が 無理のあるほどイヤなキャラクターで
その親のわりには 心や優しいお舅さん(お姑さんも 優しい) とか
なんか 理解しにくい設定だと思った (説得力がないというか)
原節子は 不幸に耐えつつも 気位がたかそうで、すてきだった


「驟雨」 は 意外におもしろかった
小さくクスクス笑える場面が 随所にでてくるし
原節子が 買い物カゴをぶらさげて 買い物にでかける 
昭和30年代の商店街 (世田谷の梅ケ丘のあたり?) のようすや
電気屋さんにおいてあるミキサーの SFチックなフォルムとか
なんだか貴重な気がしたよ 買い物ブギが 聞こえてきたよ
おとなりの奥さん役の香川京子も キュートで可愛かったし
夫婦の倦怠ものも これくらいあちこちに笑いをちりばめてくれれば
けっこうおもしろく観ていられるなー と思ったら
終わり方も だいぶ救いのある、ほほえましいかんじだった


原節子は のんきというかボンヤリめの奥さんを なかなか好演してると思った
ボンヤリしても ボンヤリに見えない優雅さはあるのだけれど
愛敬のあるかんじで ちょっと見直しました (なにをというと バタくさい顔を)
(ひゃー えらそうわたし! いや、優雅な美人役しか しない人なのかと 思っていたので)


・・・・
帰り道 劇場にかざってあるプレスシートを見ていたら

おとなりの奥さん役(香川京子)の説明 :「(略)〜 夫を犬と心得ている」
旦那さん役(佐野周二)の説明 :「(略)〜 倦怠期の夫の代表のような 安月給取り」

そうとう辛辣で びっくりした  なに? そういう時代だったの?