あぶく銭とわたし

(しみったれてます)


去年の5月に、古書展でこの本を見て。
素敵だ‥!と思いながらも18,000円というお値段に即決はできず。
東京の古本屋さんだし、ネットでも注文できるし、ゆっくり悩もう、
などと思っているあいだに、売れてしまいまして。 (9月頃)
以来ネットでこの本がでてくるのを、待ち伏せ(?)してたんです。


そしたら、このシリーズの全集が、399万円で売られているのを発見し、欲しくなり。
年末ジャンボを10枚買いました。 (秋の宝クジは 買いそびれた)
13,300円が当たりました。
全集の中で、特に欲しかった、この本(13,320円←送料込み)を買うことができたのです。


これだけ見ると、メデタシメデタシ☆ なのだけど。


宝クジを買ったとき、わたしは、ものすごく悩んだのです。
たとえば500万が当たったとして、そのお金でこの全集を買えるだろうか。
こたえは、否。でした。
いくらあぶく銭でも、全額を古本につぎ込むのは、家庭を顧みなさすぎです。
古本の全集を買う前に、もっと着実な使いみちが、ぜったいあるのです。
もし、1千万円が当たっても、全集は買えない気がしました。
残りの600万円で、この全集を保管する設備は作れないからです。
宝クジが当たったとしても、この全集を買うお金は出来たとしても、
この全集を所有することに、自信がいっさい、持てなかったのです。
(古書だから、メンテナンスがたいへんそうなの)


身分不相応、という言葉が脳をよぎりました。
(しかも、悩んでいるうちに、この全集のセットが、検索ヒットしなくなってしまった。
 どこかの誰かが買ったのか。はたまた、バラして売ることにしたのか。
 まさか売れると思わなかったので、書店名をチェックしていなかったことを後悔‥)


そんななか、わたしがさいしょに欲しいと思った本があらわれ。
ちょうど一冊買えるだけの、金額が当たったのです。
ものすごく、身の丈にあったシアワセ‥。
身分相応すぎて、かなしみまじりのシアワセです。
(いやもちろん、すっごく嬉しいのだけど。
 「幸せをおそれる人は幸せになれない」って云うじゃん。
 高額当選をおそれるわたしは、一生、高額当選しないんじゃん?
 わたしのこのネガティブさが 可能性を消しているのでは? とか思ったの。
 環境が人格をつくるのか、人格が環境をつくるのか。
 ‥ たかが宝クジで、あれこれ悩みすぎ)


・・・・・・
ところで女性週刊誌(セブンか自身かは定かではない)で、昔、定期的にやっていた懸賞に、
「デパートで、一日で百万円お買い物する権利」 というのがあった。
わたしは、これに、とても感心、というか魅了させらていたのだけどー。


たとえば百万円当たっても、貧乏性の人は、まず、貯金。てしちゃうけど。
これは、一日で百万円使わなくちゃいけないから (たしか、商品券とかは対象外)
ナニがナンでもお買い物!浪費が正義! みたいな世界なんですよ。
「ああ、ぜひ、わたしも体感したいものだ」、と 憧れまくっておりました。
(1回だけ、応募した。応募するために週刊誌も買った(ちょっと汚点))


んで、でも、でもですね、
もし、百万当たったらどう使う??
って考えたとき(ハガキを投函するとき)に。

「まず、配偶者Kに3割は使わせてあげて。あ、Kの実家にもなにか買わなきゃ‥、
 こっちの予算は2割でいいかな?そしたらわたしの実家にも2割‥、で、妹には1割‥、
 あ、わたしの予算が2割になっちゃう‥。Kを2割にしてわたしを3割にしよう。
 よし、30万か!‥30万?‥百万当たっても30万しか使えないのか‥。
 なんか夢敗れたりってかんじだな‥。
 嬉しくて友達に吹聴しちゃうだろうから、友達になにも買わないわけにもいかないだろうし。
 マニキュアでも買うか?‥海外旅行みたいだな‥デパートじゃなくて多慶屋で買いたいよ‥。
 あ、なんかだんだん、むしろ憂鬱になってきた‥」
って暗くなったのも事実です‥。(以来、この懸賞を気にしなくなった)


(なんでこんな美しい本の日記の日に、こんなしみったれた思い出ばなしを)