田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)

川上弘美のエッセイ ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫) のなかで
「すごい小説もあったもんだ(感嘆)」 的に紹介されていたのが
気になっていたので 読んでみた
いや、ほんと、すごい小説もあったもんだ (わたしが言うのはおこがましい)
聖も俗も穢も ごっちゃにまじったマーブル模様
骨董品もどきのグイ呑みが沈んだ池の底から チベットの山の上の鳥葬現場まで
深く、高く 縦横無尽にとびまわるバイタリティ
小説のなかの生命力にあてられないように 気をつけないと‥


読み終えて 閉じた本のなかで まだ宴会はつづいているのです きっと


   同時収録(?)の「空気頭」は かなしかったり 滑稽だったりする 私小説
   やっぱり 生への執着というか渇望というかが 強くまぶしい
   (まだ自分に実感がないだけで、年をとるってそういうことなのかしら‥)